吾輩は猫である
そんな風に自分が何者かを理解している人はすごいと思う。いや、この例題は猫なんだけれども。
自身の役割や存在意義を見出せる人は少ない。人は迷い、悩む生き物だから。
僕もその大勢の不安定なうちの一人。
自分のような人間が大勢いると安心できるこの現象に確か名前があったと思う。
さて、適当な頭を働かせたが全くもって電車はホームにたどり着かない。
どうして東京の電車は遅延するのか。
夏に向けてぐんぐんと気温は上昇し、満員の弱冷房車両はほとんど涼を感じない。
ため息で充満した車内の不快指数は100。ドア点検とか予めしとけよって思うけど、実際のところは分からない。15分以上止まっている場合人身事故だって聞いたことがある。
フレックスだから余裕で家を出たのだが、こんな昼前の電車でこの混雑は一体何事なのか。東京はいつでもイベントが行われていて僕の地元のららぽーとにいる人の倍の数の人間が駅でごった返している。去年帰った時に4階まである立体駐車場がガラガラすぎて過疎を肌で感じた。
暑い。コロナの影響で窓を喚起する名目で開けているが、そこから熱気が漂ってきているのは間違いない。止まった景色に目新しさはないし、スマホでTwitterやらスマホゲーしたいけども周りに人がいる状態であのアカウントのTLを表示したくないし、女の子のキャラがいっぱい出てくるアプリを起動できる胆力はない。
耳の中にねじ込んでいるイヤホンは無音を流し、無の時間が流れる。この密着度では呼吸もしづらい。素数を数えるほど記憶してないし、この虚無から早く解放して欲しい。
しばらくしてから車両はゆっくりと動き出し、テンプレートの謝罪アナウンスが流れてほっとした。
駅のホームにたどり着き降車する。この後もあの苦痛の時間が訪れることを危惧して降りるべき駅ではないが別の路線で会社まで向かう。
東京はどっかの線がだめでも他から行ける仕様になっているからこういうときは安心だ。
東京へお越しの際はお気をつけて。
電車の時刻表は確実ではないことを覚えておくことだ。
特にターミナル駅をつないでる路線はな。